役に立つ認知症介護の体験記
- Grand Pama -

体験談 2

お昼寝から覚めたら

お昼寝から覚めたおじいちゃんが「お~い」と部屋から呼んでる。「目が覚めた?」と言いながら顔をのぞかせると、不機嫌な顔で「金の指輪を二つ預かっといたけど、どこにやったか?」と尋ねてきた。
あぁ、また手こずる時間がやってきた。う~ん、今日は指輪かぁ。

失 敗

そんなもの預かってなんかないし、しかもこっちのミスみたいに言われても。「指輪なんて知らないよ」とついつい本当のことを答えてしまう。
するとおじいちゃんは失くしてしまったと思い込み「高かったけん弁償せなん!」と腹を立ててしまった。

成 功

金の指輪なんて持ってないし…う~ん、どうしよう。
仕方なく家にあった石のついた指輪を持って行き「これだっけ?」と見せる。すかさず「石はついてなかった」とおじいちゃん。ごまかせなかったかぁ。「ごめ~ん、間違えた!あっちだった。ちょっと待ってて」と銀の指輪があったのを思い出し取りに行く。澄ました顔で「これだよね」と決めつけながら手渡す。
ここで「金」の単語を言ってしまうと違うことを再認識してしまうのでひと言も触れずに。すると「これは銀たい。本物かい?」と言うので「本物だし、預かったのはこれだよ。」と断言してみた。おじいちゃんは指輪をしばらく眺めたあと「あ~、これだったか」と納得してくれた。良かった。

ひと言

突然、とっぴょうしもないことを言い出されると対処に困りますよね。しかも全く思い当たることがない時なんて、どうしようと悩みます。
実際には「ない」ものを「ある」ものにしないといけない。本人は本気なので、こちらも自信を持った感じで対応するのがいいのかなと思います。自信なく言ってしまうと不思議な事に相手に通じるようで見透かされます。「これ?」ではなく「これだよ」と本人の記憶を塗り替える感じで。